京都市伏見区にて瓦捲りからのガルバリウム鋼板の新設立平葺き
2022/09/12
先日、京都市伏見区にて瓦捲りからのガルバリウム鋼板の新設立平葺きを行いました。
こちらが施工前の様子です。
現状、瓦自体に割れや欠けなど大きな不具合はほとんど見受けられませんが、瓦屋根はその瓦の耐久性が仇となるケースがあります。
瓦は皆様もご存知のように非常に硬く、きちんとメンテナンスをしてあげれば50年以上の寿命を持っている屋根材です。
耐久性や防水性、耐火性など様々な特性を持った優れた屋根材ではありますが、他のスレートや金属屋根のように屋根表面に錆びや割れといった目に見える劣化が起こりにくいため、つい適正なメンテナンスのタイミングを逃しがちになります。
いくら瓦自体が耐久性のある長寿命な屋根材でも、その下に敷いてある防水シート、そして屋根下地は瓦ほど長い寿命はありません。
そのため、屋根表面の見た目に問題が無いため、メンテナンスを先延ばしにし、いざ瓦を捲ってみたら屋根下地がボロボロで雨漏り寸前だった…というケースも実は多いのです。
瓦屋根でも屋根の内部は他の屋根と同じ構造ですので、「瓦は寿命が長いから大丈夫」と油断せず定期的にメンテナンス、あるいは屋根診断・点検だけも行うようにしましょう。
こちらが瓦を捲った状態の屋根の様子です。
土が多く滞留していますが、これは「土葺き」の跡になります。
土葺きとは、瓦の下に土を敷いて葺く工法で、昔の瓦屋根と言えばこの土葺きが主流でした。
しかし、大量の土をのせるため屋根が重くなり、地震に弱いとされるこの工法は現在ではほとんど施工されることがなくなりました。
関東ではずっと前から土葺きはほとんど行われなくなったそうですが、関西は関東に比べて大きな地震が少なく、平成に入ってもまだ土葺きが使われていました。
しかし、1995年の阪神・淡路大震災で多数の被害があったことから、土葺きのデメリットが露呈し、現在では使われることがなくなったのです。
土葺き工法の屋根は、地震の際に瓦が落下して2次被害が起きる危険性があります。
また、経年劣化によって雨に侵食され、土が流れ出す可能性もあります。
もし土が流され、屋根に土がなくなってしまえば、下地材に雨水が伝わってしまい、室内に雨が侵入してしまいます。
古い土葺き屋根を放置すると、雨漏り被害のリスクが跳ね上がってしまうので、早めのリフォームを検討した方が良いでしょう。
こちらがガルバリウム鋼板を葺いた完工の様子です。
見た目が綺麗になったのはもちろん、土葺きも撤去し、新たにルーフィングを敷いています。
また、重たい瓦から重量が約1/10のガルバリウム鋼板に入れ替えたため、耐震性が飛躍的に向上しています。
京都は土地柄まだまだ瓦屋根、そして土葺き屋根が多いです。
いつか来ると言われる南海地震に備えて、瓦屋根からの葺き替え、そして軽量化リフォームを検討されてもいいかもしれません。
京都での葺き替え工事、そして屋根軽量化工事は、ぜひ山口板金にお任せください!