屋根の葺き直しとは?京都の屋根修理職人、山口が徹底解説!
2020/06/29
屋根の葺き直しとは?
屋根の大掛かりなリフォーム工事において、「屋根葺き替え工事」「カバー工法」とよく比較されるのが「屋根葺き直し工事」です。
屋根葺き替えは、屋根材から下地である野地板、防水シートまで全て新調・交換します。
一方、葺き直しは葺き替えとは異なり、屋根材はそのまま再利用する工法となります。
屋根葺き直しは葺き替えと比較して、新しい屋根材の材料費、既存の古い屋根材の撤去・処分費用が発生しない分、費用を抑えることができるのが大きな特徴です。
ちなみに葺き替えやカバー工法については、こちらのコラムで解説していますので併せて参考にしてみてください。
参考サイト
葺き直し工事のタイミング
「屋根材を交換しなくても大丈夫なの?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
実は瓦などの屋根材は耐用年数が50年以上もあり、屋根材自体は15〜20年周期でやってくる屋根リフォームの際に再利用しても問題無いのです。
しかし、瓦の下に敷いてある野地板や防水シートはそうはいきません。
耐用年数が10〜20年と屋根材よりはるかに早く寿命を迎えてしまうのです。
つまり、「使えるものは再利用し、寿命を迎えたものだけ新調・修繕する」のが屋根葺き直しとなります。
葺き替え工事が必要な状況
費用を抑えられる点から、「屋根リフォームは葺き替えじゃなく葺き直しで良いんじゃない?」と考える方も多いですが、一つ注意事項があります。
それは、「屋根材の耐用年数」です。
上述の通り、瓦は耐用年数が50年以上という非常に高耐久な屋根材です。
しかし、それ以外のスレートや金属屋根はそうはいきません。
周囲の環境にもよりますが、どれだけ長くても耐用年数は20年程度なのです。
例えば新築から20年経って屋根葺き直しを行うとします。
瓦屋根であれば、瓦はまだ30年以上も寿命が残っているため、下地や防水シートを新調・修繕する屋根葺き直しで問題ありません。
しかし、瓦以外の屋根材であれば、どれだけ下地や防水シートが綺麗になっても、屋根材はすでに寿命を迎えているため、そう遠くない未来に雨漏りなどの不具合が起こるリスクが高まります。
そうなると結局数年でまた屋根リフォーム…、となってしまうでしょう。
瓦以外の屋根材であれば葺き直しではなく葺き替えを行う方が良いのです。
このように、葺き直しは施工可能な屋根材が限られているので注意が必要となります。
参考サイト
雨漏り防止の強い味方!ルーフィング(防水シート)の種類と特長
屋根葺き直しのメリットとは?
前項で屋根葺き直しの最も大きなメリットである、「葺き替えと比較して費用を抑えることができる」という点についてお伝えしました。
ここでは、それ以外の屋根葺き直しのメリットを見ていきましょう。
外観が維持できる
費用以外での葺き直しのメリットの一つに、施工の前後で建物外観が変わらないという点が挙げられます。
繰り返しになりますが葺き直しは既存の屋根材を再利用する工法になるので、建物外観を大きく変えることがありません。
「見た目も新しくなった方が嬉しい」という方もいらっしゃいますが、特にここ京都では「建物の歴史を感じる趣を損ないたくない」という方も多いので、そういった方には嬉しいメリットとなるでしょう。
費用を抑えられる
費用が葺き替えと比較して費用が抑えられるだけでなく、工期も短くなります。
理由は、葺き替えであれば既存の屋根を取り外して処分のために地上に降ろす手間がありますが、葺き直しの場合は既存の屋根材を再利用するのでその手間が発生しません。
そのため、葺き替えと比較しても1〜2日工期が短くなります。
屋根葺き直しのデメリットとは?
では、屋根葺き直しのデメリットはどういった点になるのでしょうか?
リフォーム効果が低い
上項で、「葺き直しが施工可能かどうかは既存の屋根材の種類による」とお伝えしました。
それ以外にも、「現在の屋根の状態によっては葺き直しによるリフォームの効果が薄くなる」というデメリットが挙げられます。
繰り返しになりますが、葺き直しは既存の屋根材を再利用する工法となります。
そのため、既存の屋根材の耐用年数が残っていても状態が悪ければ結局数年で再度屋根リフォームが必要となるケースもあるのです。
いくら下地や防水シートが綺麗になっても、屋根材の劣化が進んでいたり破損があったりすればせっかくのリフォームでも効果が薄まるという訳ですね。
まとめ
屋根全てを新調する葺き替えか、屋根材は再利用する葺き直しか。
ご自身で屋根修理業者に要望を伝えた上で、要望通りの施工が可能かしっかりとプロに判断してもらいましょう。