雨漏りがよく起こる場所トップ5をご紹介!原因や修理方法も解説
2023/08/14
雨漏りは、住宅にとって非常に深刻な問題です。水が侵入している場所によっては、お家を支える柱が腐り、寿命が一気に縮んでしまいます。しかし、雨漏りの正確な原因特定は非常に難しいため、プロに依頼することが重要です。
この記事では、雨漏りのよくある原因箇所を5つ紹介します。分かりやすい症状例と一緒に紹介するので、ご自身のお家の原因箇所を確認するための参考として活用してください。雨漏りを放置すると、お家内部のどこに、どれくらい、水がしみているか分からないため、きちんとした点検や対処が必要です。この記事を参考に、雨漏りが起きた場合には早めの対処を心がけ、長く安心してお住まいいただけるようにしましょう。
よくある雨漏りの原因箇所5つ
これまで山口板金がおこなってきた屋根修理・雨漏り修理の中で特に多い雨漏りの原因箇所5つをご紹介いたします。
瓦のズレ
瓦自体の耐用年数は60〜100年と言われますが、瓦がズレると雨漏りが起こる可能性があります。
瓦のズレは、さまざまな原因が考えられます。例えば、台風や強い風が瓦に当たってズレることがあげられます。また、地震による振動もズレの原因になります。さらに、瓦を固定している釘や土台が劣化することで、瓦がズレることもあります。
瓦自体の耐用年数は長い一方、防水シートや下地材の耐用年数は15〜20年と短いため、定期的な点検が必要です。瓦がズレると、紫外線や雨水が防水シートに直接あたり、劣化してしまうことがあります。下地材に雨水が染み込み、雨漏りにつながってしまうのです。
【修繕方法】
ズレている瓦の枚数が少ない場合は簡単な交換で済みますが、枚数が多い場合や全体的にズレが起きている場合には、屋根全体を葺き替える必要があります。
葺き替え工事は、すべての瓦を取り外してから、防水シートや下地材の点検や補修を行い、再利用できる瓦を積み直す方法です。この場合、瓦の撤去費用や廃棄費用、新しい屋根材の材料費、交換工事費が発生するため、部分的な補修よりも費用がかさむことになります。
棟板金
棟板金(むねばんきん)とは、屋根の頂上にある屋根材です。
棟板金は屋根材の隙間を埋める役割がありますが、雨の影響を受けやすい場所でもあるため、雨漏りが発生しやすい場所でもあります。
浮きや飛散、釘の浮きや抜け、サビやコーキングの劣化により棟板金に不具合が生じると雨水が入り込み、雨漏りを引き起こしてしまうのです。
【修繕方法】
〈釘の補修〉
棟板金はクギで固定されているため、年数が経過すると抜けたり、外れたりすることがあります。しかし、屋根材や棟板金自体に問題がなければ、クギの増し打ちで簡単に補修することができます。
〈棟板金の交換〉
屋根の棟板金が、めくれたり穴が開いたり、サビが酷い状態であれば、交換が必要です。また、棟板金自体に問題がなくても、10〜15年程度経過している場合は、耐用年数を超えているため交換をお勧めいたします。 棟板金を交換する際は、ガルバリウム鋼板に交換することも考えてみると良いでしょう。ガルバリウム鋼板は、サビに強く、耐久性にも優れています。
〈屋根の全体リフォーム〉
棟板金だけでなく、下地材である貫板や防水シートの劣化もある場合は、屋根全体をカバー工法や葺き替え工事でリフォームすることをおすすめします。もしすでに雨漏りの症状が出ている場合は、屋根全体を交換することで雨漏りの解決にもなります。
屋根材の欠けや割れ
強風や台風によって、石やガラス片などの固いものが飛来して建物の屋根にぶつかったり、経年劣化によってヒビが入ったりすることがあります。また、屋根の工事中に業者が屋根を踏んだなどの理由でもヒビが入ることがあります。
このようなヒビからは雨水が入り込み、雨漏りの原因となってしまいます。
【修繕方法】
スレートが欠けたり割れたりしている場合は、コーキングなどを使って欠けた部分を埋めるか、または欠けたり割れたりした部分を新しいスレートに交換することが一般的です。
スレートを部分的に取り外すことはできないので、スレートの見えている部分を切り取って、上から新しいスレートをコーキング材で貼り付けることになります。 部分的に欠けた個所から雨漏りが起こる恐れがあるため、早めの補修が必要です。
屋根と外壁の取り合い
建物の外壁では、異なる材質の接合部などに「雨仕舞い」と呼ばれる雨水を屋外へ適切に排水させる施工をおこないます。
屋根には勾配があるため、基本雨水は上から下へ流れますが、風が吹く場合には壁際の方へ雨水が流れ、隙間から雨水が入り込んでしまい雨漏りの原因になることがあります。
【修繕方法】
適切な排水を促すため、雨漏り箇所に応じた雨仕舞い板金やコーキング補修をおこないます。
増築部分
増築すると、既存の建物とのつなぎ目が発生します。しかしこのつなぎ目は、建物にとって大きな弱点となります。窓や天窓から雨漏りするケースがよくあるのですが、これは外壁に穴をあけて窓枠を設置しているため。四方につなぎ目ができるため、ちょっとしたすき間があると雨水が浸入してしまいます。
増築も同じで、つなぎ目のすき間から雨水が染み込むことがあります。ただ、正しく施工されていれば雨漏りは発生しません。このように、増築時のつなぎ目には注意が必要です。
【修繕方法】
上記の「屋根と外壁の取り合い」と同様、適切な排水を促す施工が行われていない可能性が大きいため、その箇所に応じた雨仕舞い板金やコーキングの施工をおこないます。
雨漏りの原因箇所の特定はプロによる調査が必要
雨漏りが起きた時、正確な原因箇所を特定するにはプロによる調査が必要です。個人では正確な原因箇所を特定することが難しく、原因箇所が特定できず放置してしまうと被害が拡大する恐れがあります。
水の侵食によって木材の腐食や鉄骨のサビ、シミやカビなどの被害が出ることもあります。木材の腐食や鉄骨のサビがおきると、建物自体の寿命に影響してしまいます。カビが生えてくると、そのカビを吸ってしまい、咳がでるなどの体調不良になる可能性があります。最悪の場合、雨水の侵入によって漏電することもあります。雨漏りを見つけたら、プロに調査を依頼して、できるだけ正確な原因箇所を特定しましょう。
雨漏りが起きた時の対処法
雨漏りが起きた時の応急処置方法は、主に2つあります。
ブルーシートを被せる
一つは、ブルーシートで養生すること。屋根の雨漏りが起きた際、ブルーシートで養生して応急処置ができます。広範囲にブルーシートで覆うことで、雨漏りを防ぐことができます。ブルーシートで屋根を覆ったら、風で飛ばないようオモリなどを置いて固定しましょう。また、高所作業になる場合があるため、怪我をしないよう十分注意する必要があります。
バケツやたらいを置く
もう一つは、バケツやたらいを置いて雨水を受け止める方法です。ただし、これらはあくまで応急処置なので、できるだけ早く専門業者に依頼し、修理することが大切です。
業者に依頼する際、雨漏りが起きた状況を正確に伝えることが重要です。例えば、いつ、どこが、どのくらいの量で、どのような天気の時に、どのくらいのスピードで、どのくらいの範囲で雨漏りが起きたかを伝えることで、スムーズな対処ができます。 雨漏りによる被害を拡大させないためにも、雨漏りを見つけたら早急に対処しましょう。