京都市西京区にて築50年瓦屋根の軽量化工事〈土葺きからスーパーガルテクトに葺き替え〉
2021/01/28
お客様のお困りごと・ご依頼のきっかけ
「瓦に目立った割れはないが、築年数も経過しているので一度見てほしい。地震の際に重い屋根が心配なので今のうちに軽くしておきたい」とのご相談をいただきました。
現地調査を行ったところ、瓦の下に大量の土が敷き詰められた「土葺き」工法でした。外観は綺麗でも、築年数を考慮すると屋根内部の劣化が進んでいる可能性が高いと判断しました。
土葺きは断熱性には優れますが、現代の耐震基準からすると非常に重く、また経年で土が痩せると瓦がズレやすくなるリスクがあります。 今後の安心を考え、土をすべて取り除き、下地から新設する金属屋根への葺き替え工事をご提案しました。
先日、京都市西京区にて、耐震性の向上を目的とした屋根工事を行いました。
具体的には、瓦から軽量なガルバリウム鋼板への葺き替えになります。
葺き替え工事の様子
まず、こちらが施工前の写真になります。
施工前
一部に瓦のズレや、漆喰の劣化は見られるものの、大きなヒビ割れや破損などは見当たりませんので、屋根材としてはまだ使用できる状態です。
この青い釉薬瓦は、表面がガラス質の膜で覆われているため、数十年経っても色あせせず、割れがない限りは新品のように見えてしまいます。しかし築年数が40年以上経過していると内部で劣化が進行している可能性が高くなります。
瓦屋根には重量があることと、築年数的に内部の防水機能が不安なため、今回軽量なガルバリウム鋼板へと葺き替えていきます。
既存瓦屋根と土の撤去
瓦を撤去していきます。こちらは、瓦撤去後の写真になります。
瓦の下には土が敷き詰められていますので、こちらも袋につめて綺麗に下ろしていきます。
このように瓦の下に土が敷いてある葺き方は、「土葺き」と言います。屋根の上に大量の土が載っていますのでこの土も屋根の重みが増している原因の一つです。
土の下にはトントン葺きが見えています(写真の右下)。これはさわらという木材を薄く切ったものを重ねています。
昔はこれが防水の役割を果たしていましたが、現代のようなルーフィングとは異なり、経年で木が腐食したり、土の重みで隙間ができたりします。
こちらも経年劣化がかなり進んでおり、脆くなって隙間ができている箇所もありました。正直いつ雨漏りしてもおかしくない状態でした。
下地の施工
土を綺麗に撤去したら、次に古くなった屋根の下地を補強していきます。長年の瓦と土の重さで屋根の下地にはたわみやゆがみが出ているため水平にしつつ、上から補強を行います。
厚み12mmの構造用合板を使用します。
ルーフィング施工
新しいを綺麗に取り替えたら、今度はルーフィングを貼っていきます。
ルーフィングシートは屋根材の下に敷くシートで、「防水シート」という名称の方が皆さんは聞き馴染みがあるかもしれません。防水性と耐久性の高さを考慮して今回は田島ルーフィングのPカラーEX+を使用しました。
スーパーガルテクト葺き
こちらが、今回使用したガルバリウム鋼板、「スーパーガルテクト」を施工した後の写真になります。
素材には次世代鋼板である「エスジーエル鋼板(SGL)鋼板」が用いられています。なんと言っても非常に軽いという特徴があり、軽量化という点では有効な耐震化となります。
お伝えしたいこと
「土葺き」の屋根は、京都の古いお家には非常に多い工法です。 しかし、土が乾燥して粉状になると瓦を固定する力がなくなり、地震の際の瓦の滑落や、隙間からの雨漏りの原因になります。
今回の工事で、重い土をすべて下ろしたことで、お家への負担は劇的に軽くなりました。
「瓦はまだ大丈夫そうだけど、地震が不安」という方は、一度ご自身の屋根が「土葺き」かどうかチェックされることをおすすめします。板金施工のプロとして、最適な軽量化プランをご提案いたします。
こちらのような鮮やかな青い釉薬瓦は昭和30年代〜40年代に流行しました。当時は瓦を固定するために大量の土を使う「土葺き」が主流でした。
もしも同じような屋根を使用されている方がおられましたら、見た目に大きな破損がなくても内部で劣化が進んでいる可能性があります。
一度屋根の点検を受けることをお勧めいたします。
釉薬瓦から雨漏りしていた事例もございます。
今回は瓦屋根からガルバリウム鋼板への葺き替えでしたが、山口板金はガルバリウム鋼板などの板金工事を得意としております。
京都でガルバリウム鋼板などを用いた屋根板金工事、また屋根軽量化工事は、ぜひ山口板金にお声がけください。
【土葺き屋根の葺き替え事例】
| 現場住所 | 京都市西京区 |
|---|---|
| 施工内容 | 葺き替え |
| 築年数 | 約築50年 |
| 施工箇所詳細 | 屋根全体 |
| 使用屋根材1 | スーパーガルテクト |
| 使用屋根材2 | PカラーEX+ |







