京都市西京区にて、耐震性の向上を目的とした屋根軽量化工事
2021/01/28
先日、京都市西京区にて、耐震性の向上を目的とした屋根工事を行いました。
具体的には、瓦から軽量なガルバリウム鋼板への葺き替えになります。
まず、こちらが施工前の写真になります。
目立ったヒビ割れや破損などは見当たりませんので、屋根材としてはまだまだ使用できる状態です。
瓦は陶器という素材の特性上、他の屋根材と比べても圧倒的に長い耐久性を誇ります。
また耐熱性もあり、非常に優れた屋根材ではありますが、唯一の欠点としてその重量が挙げられます。
瓦が重たいということは、屋根全体の重量が増してしまい、結果として建物の重心が上がってしまうのです。
建物の重心が高ければ、地震の際の揺れの影響を受けやすくなってしまうので、耐震性という点では決して良いとは言えません。
逆に言うと、屋根を軽くしてあげると耐震性が向上するということです。
そのため、今回は重たい瓦屋根から軽量なガルバリウム鋼板へと葺き替えていく訳ですね。
続いて、瓦撤去後の写真になります。
瓦の下には土が入っているので、綺麗に下ろさせていただきます。
瓦屋根の葺き方(乗せ方)には様々な種類があり、このように瓦の下に土が敷いてある葺き方は、「土葺き」と言います。
昔は瓦を固定するために「土葺き」が主流でしたが、近年では土を使わない工法が主になっています。
「土葺き」は瓦と同じく重量が増す方法なので、現在の耐震性を考慮した住宅には合わない。
経年により土の耐久度が低くなるため瓦が落ちやすくなる、といったことが近年では「土葺き」があまり採用されなくなった要因と言われています。
現在では、土葺きに代わりに「引掛け桟瓦葺き工法」が主流となっています。
また、「引掛け桟瓦葺き工法」の施工があった際には、ぜひご紹介させていただきます。
土を綺麗に撤去したら、次に古くなった屋根の下地も取り替えていきます。
厚み12mmの構造用合板を使用します。
下地を綺麗に取り替えた上から、ゴムアスルーフィングを貼っていきます。
ルーフィングシートは屋根材の下に敷くシートで、「防水シート」という名称の方が皆さんは聞き馴染みがあるかもしれませんね。
また、「下葺き材(したぶきざい)」と呼ばれることもあります。
素材がアスファルトで出来ているものが主流のため、「アスファルトルーフィング」と呼んだりもします。
瓦屋根で雨漏りが起こっている場合、このルーフィングが原因というケースが実は多いです。
瓦はしっかりメンテナンスを行えば半永久的に使用できる素材ですが、ルーフィングはそうではありません。
長くても耐久年数は20年なので、瓦より先に劣化が進むのです。
ですので、瓦屋根は綺麗なのにその下のルーフィングが劣化していたため、屋根から内側へ入ってきた雨水を受け止めきれずに雨漏りが起こった、という訳ですね。
この場合は、瓦がまだまだ使えそうならルーフィングやその下の野地板だけを綺麗に交換する「瓦葺き直し」で対応することもできます。
こちらが、今回使用したガルバリウム鋼板、「スーパーガルテクト」を施工した後の写真になります。
「スーパーガルテクト」は金属建材トップメーカーであるアイジー工業が取り扱う金属屋根です。
素材にはガルバリウム鋼板ではない次世代鋼板である「エスジーエル鋼板(SGL)鋼板」が用いられています。
他社メーカーの金属屋根と比較しても、多くの点で優れている人気の屋根材です。
なんと言っても非常に軽いという特徴があり、軽量化という点では有効な耐震化となります。
山口板金のサイト内でもご紹介していますが、山口板金が自信を持ってお勧めさせていただく屋根材です。
今回は瓦屋根からガルバリウム鋼板への葺き替えでしたが、山口板金はガルバリウム鋼板などの板金工事を得意としております。
京都でガルバリウム鋼板などを用いた屋根板金工事、また屋根軽量化工事は、ぜひ山口板金にお声がけください。