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屋根の豆知識

京都特有の町家屋根修理の注意点と修理方法

2026/01/09

京都の町並みを彩る「町家(まちや)」は、日本の伝統的な木造建築の美を今に伝える貴重な存在です。しかし、長年の風雨にさらされた屋根には確実に劣化が進み、修理やメンテナンスが必要になる時期がやってきます。

ただし、町家の屋根修理には独自の注意点があります。屋根材の違いや構造の特性、さらには京都市の「景観条例」などが絡むため、一般的な住宅と同じ感覚で修理を進めるとトラブルにつながる可能性もあるのです。

この記事では、京都の町家屋根を修理・補修する際に押さえるべき重要ポイントや、適切な修理方法について詳しく解説していきます。町家にお住まいの方、空き家の修繕を検討されている方、ぜひご一読ください。

町家屋根の特徴とは?構造と素材の違いを理解する

町家屋根の主流は「和瓦」や「本瓦」

京都の町家で多く見られるのは、伝統的な和瓦(本瓦)を使用した屋根です。見た目にも重厚感があり、独特の風格を生み出しています。瓦の厚みがあり、雨水の排水性も高いため、適切なメンテナンスを行えば耐用年数も長く保てます。

ただし、重量があることから、下地の劣化が進んでいる場合は注意が必要です。古い町家では野地板が傷んでいるケースも多く、瓦の重さを支えきれず、屋根のたわみや雨漏りが発生するリスクがあります。

屋根勾配が緩く、雨漏りしやすい構造

町家の屋根は、屋根勾配(角度)が比較的緩やかな傾向があります。そのため、屋根に雨水がとどまりやすく、瓦の隙間から雨が浸入する雨漏りのリスクも高くなります。

また、町家は長屋形式で建てられていることも多く、隣家との屋根が連続している場合は、工事範囲の確認や境界トラブルにも配慮が必要です。

町家屋根のよくある劣化症状と注意点

瓦のズレ・割れ・剥がれ

京都では台風や強風、大雨の影響で瓦がズレたり、欠けたりすることがあります。ズレた瓦は見た目の問題だけでなく、そこから雨が侵入して構造材を劣化させる原因にもなります。

とくに本瓦は一枚あたりの重量があるため、落下すると非常に危険です。劣化が進む前に、部分的な補修を行うことが重要です。

漆喰の剥がれやひび割れ

瓦の接合部にある漆喰(しっくい)は、経年劣化で剥がれたり、ひびが入ったりします。この部分の傷みを放置すると、内部への雨水侵入や瓦の脱落につながるため、早めの補修が望まれます。

漆喰補修は一見簡単そうに見えますが、適切な配合や塗り方を誤るとすぐに再劣化するため、伝統工法に詳しい職人に依頼すべき箇所です。

谷樋や雨樋の詰まり・破損

町家の屋根には、銅板やトタンの谷樋(たにどい)が設置されていることが多く、ここに落ち葉や土埃が溜まって詰まると、排水不良による雨漏りを引き起こします。

古い銅板は経年で腐食して穴が空くこともあり、定期点検と交換が必要になるケースもあります。

景観条例に注意!京都市の屋根修理で気をつけたい規制とは

町並みを守るためのルール「京の景観ガイドライン」とは?

京都市では、伝統的な町並みや歴史的風情を保つために「景観条例」が制定されています。とくに景観地区や美観地区、歴史的風致維持向上計画区域に該当するエリアでは、建物の外観に関わる工事を行う際に届出や許可が必要となるケースがあります。

屋根工事においても例外ではありません。たとえば、瓦屋根から金属屋根(ガルバリウム鋼板など)に変更する場合や、屋根の色を濃茶から銀系に変更する、形状を大きく変えるような工事などは、「外観の変更」として届け出義務が生じる可能性があるのです。

また、京都市内では「京の景観ガイドライン(建築物等の色彩等)」などで屋根の素材や色、勾配の指定がある地域も存在します。とくに伝統的建造物が集まるエリアでは、黒や濃茶など落ち着いた色調の瓦を維持するよう求められるケースが多いのです。

【参考】京都市|京の景観ガイドライン

無許可で工事を行うと是正指導を受ける可能性も

屋根修理といっても、「修理」だけなら自由にできると思ってしまいがちです。しかし、実質的に屋根の形状や色を変更するような工事は、行政への事前の相談や届出が必要になる場合があります。

たとえば以下のような工事は要注意です。

・瓦から金属屋根への葺き替え(外観が大きく変わる)
・屋根の勾配や棟の形状を変更
・明るい銀系・赤系など、周囲と著しく異なる色彩への変更

これらを届出や許可なく実施した場合、景観条例違反と判断され、原状回復の指導や勧告を受けることもあります。指導に従わず放置すると、罰則や公表の対象となることもあるため注意が必要です。

なお、一般住宅であっても、所在地が景観地区等に該当していればこのルールの対象となります。「うちは町家じゃないから関係ない」とは限らないのです。

屋根修理の際は専門業者とともに事前確認を

こうしたルールは、一般の方にはわかりづらく、見落としてしまいがちです。したがって、京都市内で屋根の修理やリフォームを計画している場合は、地域の条例に精通した専門業者に相談することが重要です。

山口板金のように、京都の景観条例に対応した施工経験がある業者であれば、工事前に必要な確認や届出のアドバイスを受けることができ、トラブルを未然に防ぐことができます。

また、京都市では「景観相談窓口」や「建築指導課」「景観政策課」などにて、工事の計画段階からの相談を受け付けています。ご不安な場合は、こうした行政窓口への事前確認もあわせておすすめします。

【参考】京都市景観・まちづくりセンター

町家屋根に適した修理・補修方法

瓦の差し替えや部分葺き替え

劣化が軽度であれば、ズレたり割れたりした瓦を部分的に差し替える方法が一般的です。この際、既存の瓦と同じ型・色のものを使うことで、景観を損なわずに修理が可能です。

瓦の在庫がない場合は、古材市場や同等品を探すなどの対応が必要になるため、実績のある業者に相談すると安心です。

棟や漆喰部分の補修

瓦の山(棟)部分や接合部に使われている漆喰の塗り直しも、町家屋根の補修ではよく行われる工事です。施工には技術が求められるため、伝統建築に詳しい職人が対応できる業者を選ぶことが重要です。

また、棟を積み直す「棟取り直し工事」が必要になる場合もあり、こちらは構造強度を保つためにも慎重な施工が求められます。

雨漏りがある場合の下地補修

雨漏りが発生している場合、単に瓦を補修するだけでは不十分なこともあります。野地板や防水シート(ルーフィング)の交換が必要になるケースも多く、内部の構造材が腐食していないかまで点検したうえで、根本的な原因を取り除く工事を行う必要があります。

業者選びのポイントと注意点

町家修理に精通しているかが重要

町家の屋根修理には、伝統的な建築知識や景観条例の理解、過去の施工実績が求められます。一般的なリフォーム業者では対応できない場合もあるため、以下のポイントを確認しましょう。

・「町家対応可」や「伝統建築実績あり」と明示されているか
・景観条例に対応した工事経験があるか
・事前調査・行政手続きも含めてサポートしてくれるか

また、安さだけで業者を選ばないことも大切です。材料の使い回しや見えない部分の手抜き工事が、後々深刻な雨漏りや劣化を招くことにもなりかねません。

見積もりの内訳を丁寧に確認

見積もりを取る際は、「どの範囲を」「どのように」「どんな素材で」修理するのかを具体的に明記してもらいましょう。複数の業者に相見積もりを依頼し、価格だけでなく、提案内容や説明の丁寧さを比較することが失敗を防ぐコツです。

町家屋根修理にかかる費用の目安

修理の内容や範囲によって大きく異なりますが、以下はあくまで参考価格です。

修理内容 費用の目安(税別)
瓦の差し替え(数枚) 3〜5万円前後
棟瓦の積み直し(1列) 10〜20万円程度
漆喰の塗り直し 10〜30万円程度
谷樋の交換 10〜25万円程度
下地(野地板)補修・防水シート交換 30〜80万円程度
全面葺き替え(本瓦→本瓦) 150〜250万円以上

※町家特有の構造・足場の確保・景観規制への対応などにより、通常の住宅よりも費用が高めになる傾向があります。

山口板金の町家修理対応と安心保証

京都市の屋根修理専門店「山口板金」は、町家修理の実績が豊富な一級建築板金技能士が在籍する地域密着型の職人直営店です。

以下のような強みがあります。

・京都市の景観条例に準拠した修理提案
・伝統建築に合わせた屋根材・工法の選定
・雨漏り再発保証付きの安心施工
・状況に応じて火災保険申請のサポートも可能
・必要に応じて行政への届出・図面作成も支援

「町家の屋根修理でどこに相談すべきか分からない…」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。点検・見積もりは無料で承っております。

まとめ

町家の屋根修理には、伝統的な建築知識と景観配慮、構造理解のすべてが必要です。単に「雨漏りを止める」だけでなく、建物の価値を守り、町並みに調和させる責任ある工事が求められます。

業者選びも含めて、信頼できる専門家のアドバイスを得ることが、後悔のない修理への第一歩です。

町家は、未来へと残したい京都の宝です。適切な修理と丁寧なメンテナンスで、世代を超えて住み継がれる住まいを守っていきましょう。

よくあるご質問(Q&A)

Q. 町家屋根の修理に補助金制度はありますか?

A. 京都市では、景観保全を目的とした助成制度や、耐震改修に関する補助金が実施されていることがあります。時期や条件により変動があるため、京都市公式サイトや建築指導課への確認をおすすめします。

Q. 雨漏りしている場合、すぐに工事をしないといけませんか?

A. 放置すると下地の劣化やカビ、構造の損傷につながります。応急処置でも構わないので、早めの対応をおすすめします。

Q. 工事中にご近所への配慮は必要ですか?

A. 町家が密集している地域では、騒音や足場設置による影響もあるため、事前のご挨拶や養生が重要です。山口板金では近隣挨拶も丁寧に代行いたします。

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