コロニアル屋根の葺き替え費用はどれくらいかかるの?特徴なども併せて徹底解説!
2022/02/07
屋根は茅葺き屋根や日本瓦、コロニアル屋根というように種類が豊富です。
多種多様な屋根の中でも比較的新しい屋根材の「コロニアル」。
現在では住宅の屋根にコロニアル屋根材を選ぶ方が多いため、至るところで見ることができます。
このページでは、コロニアル屋根の特徴や葺き替え時期および工事にかかる費用についてご説明します。
コロニアル屋根とは?その構造や特徴は?
はじめに「コロニアル屋根」の構造と特徴を解説していきます。
コロニアル屋根は屋根材の種類を指し、「カラーベスト」といわれる商品の中の1つです。
他に「スレート屋根」とも呼ばれることも。
コロニアル屋根の『コロニアル』とはクボタ松下電工株式会社(現ケイミュー株式会社)が販売している商品の名称です。
屋根修理業者によって呼び名が変わるため、お客様にとっては非常に紛らわしいのですが、「スレート」「コロニアル」「カラーベスト」はすべて同じ屋根材です。
セメントを素材として、約5mmの厚さで繊維にセメントを含浸させ固めて作られた屋根材を化粧スレート、略してスレートといいます。
そのスレートの中で、「カラーベスト」はケイミュー社が製造・販売しているスレートのシリーズ名です。
さらに、そのカラーベストの中の個々の商品名が「コロニアル」になります。
「同じ屋根材と言っても、メーカーが変われば違う商品じゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし、現在は住宅用のスレートはほとんどがケイミュー社製のものとなります。
以前は複数のメーカーが製造をしていましたが撤退や合併の結果、現在ではケイミュー社だけが残るカタチとなりました。
そのため、スレート屋根材=ケイミュー社製と言っても差し支えなく、「スレート」「コロニアル」「カラーベスト」はすべて同じ屋根材と言ってしまっても問題ない訳ですね。
業者によって自社が取り扱っている商品であったり習慣から好きな名称で呼んでいますが、どれも同じ屋根材を指しているので覚えておいていただくと良いかもしれません。
他の屋根材と同様、造りがシンプルなコロニアル屋根。
屋根本体の下地板である野地板の上にルーフィングなどの防水シートを敷き、その上からコロニアル屋根材を葺いていく施工です。
コロニアルは薄い板状の屋根材でセメントと繊維質の材料を練り上げた素材で作られています。
セメントが主な原料のため、コロニアルそのものには防水性がありません。
防水性は表面の塗装で防水性能を補っています。
他の屋根材と比べてリーズナブルかつデザインも豊富、さらに施工もしやすいコロニアル。
また屋根材自体が軽く、耐震性を向上させることが期待できます。
さらには太陽光発電を取り付けることもできます。
ここまで説明してきたようにコロニアルは非常に優秀な屋根材といえます。
コロニアル屋根を葺き替える適切な時期は?
コロニアル屋根は優秀な屋根材ですが、長く使えば当然劣化し傷んでいきます。
さらにセメントが主な原料であるコロニアルは衝撃に弱いのです。
屋根材は24時間365日にわたって直射日光や雨や風、雪の中で家を守っています。
さらに昼夜の寒暖差によっても劣化していきます。
コロニアル屋根で防水の役目を果たしている表面の塗装も長年経つと、剥げたり傷んだりしてきます。
塗装などのメンテナンスを行うことで寿命は延ばせますが、耐用年数は約20年とされていますので、耐用年数を考えながら屋根のメンテナンスをしましょう。
他に葺き替えを行う適切な時期としては塗装が剥げてきた、藻やコケが生えてきた、屋根材が反るなどの変形が起こった時が挙げられます。
表面に変化が起こった時は葺き替えをご一考ください。
一部分だけが破損している、劣化が見られる場合は一部分だけの交換で済む場合も。
しかし破損、劣化している範囲が広がってしまうと葺き替え工事が必要となります。
破損、劣化部分を放置してしまうと下地板および屋根本体まで劣化する恐れもあるのです。
コロニアル屋根の葺き替え費用の相場は?
上記ではコロニアル屋根の特徴および構造、葺き替えの時期について解説してきました。
コロニアル屋根へ葺き替えるときの費用はどれくらいになるのでしょうか。
他の屋根材の中でもリーズナブルで施工もしやすいコロニアル。
施工しやすいということは施工する職人さんにとって板金や日本瓦を葺くような専門性を必要としません。
元々材料費が安価な上に、屋根の葺き替えに必要とする専門性もないため、工事費や手間賃も安く済む場合が多くなります。
さらに工事期間も短くなるため、その分の工事費用も抑えることができるでしょう。
ただし、他の屋根材の葺き替え工事と比較しても足場の設置費用といった基本的な工事費用は必要です。
また、既存のコロニアルにアスベストが入っている場合はアスベスト撤去・処分費用が発生するため費用が高くなります。
さらに撤去したコロニアルの下にある野地板は劣化が進み、傷んでいる場合や屋根材が変形している場合もあります。
劣化が進んで状態が悪くなった野地板の上に新しい屋根材を葺くことはおすすめできません。
野地板の状態によっては野地板の張り替えや増し貼りをする必要もあり、その際は費用が高くなってしまいます。
以下ではコロニアルの葺き替えにかかる費用をご紹介します。
各工程での工事単価は以下の表のようになります。
一例として、2階建て切妻屋根の戸建住宅で屋根面積80㎡のコロニアル葺き替え工事の費用を試算してみましょう。
今回はコロニアルからコロニアルへの葺き替え工事を想定し、足場面積を190㎡、工事単価は平均値で計算しています。
合計が1,165,500円となります。
加えて消費税がかかるため、1,165,500円×1.1=1,282,050円となります。
既存の屋根がコロニアルである屋根を新しいコロニアルへ葺き替える場合は一般的な戸建て住宅でおよそ120万~160万円が工事費用の目安となります。
120万~160万円は大体の目安であり、屋根の状態によっても異なります。
しかし他の屋根材の葺き替え工事にかかる費用に比べれば安価です。
ちなみに瓦から瓦への葺き替え工事だと130万~200万円が大体の目安になります。
やはり費用の面ではコロニアル屋根は優良な屋根材といえるでしょう。