雪や霜による京都の屋根ダメージ!冬場の注意点と補修対策
2025/12/16
京都は雪国ほどの豪雪地帯ではないものの、積雪・霜・氷点下の冷え込みが屋根にじわじわとダメージを与える地域です。
冬場の屋根トラブルを未然に防ぐには、気温差による素材の膨張・収縮、雪解け水の浸入、凍結による割れやズレなどを理解した上で、適切なメンテナンスや補修を行うことが重要です。
この記事では、以下のような内容をわかりやすく解説していきます。
- 雪や霜で起こる屋根トラブルの具体例
- 屋根形状や素材によるダメージの違い
- 放置した場合のリスク
- 自分でできる点検と業者に頼むべき補修の判断基準
- 京都地域に適した屋根材や補修方法
冬が来る前の備えとして、また「すでに気になる症状がある方」も、本記事を参考にしてみてください。
雪や霜で屋根に起こるダメージとは?
小さな積雪・霜でも屋根は傷むのか?
「京都はそれほど雪が積もらないから大丈夫」と思っていませんか?
たしかに豪雪地帯と比べれば、雪による物理的な重みで屋根が潰れるといった事例は少ないかもしれません。
しかし、京都特有の寒暖差や霜・みぞれがじわじわと屋根にダメージを蓄積させるのです。
特に注意すべきなのが以下のような影響です。
冷え込みによる「凍害」
気温が氷点下になると、屋根材のすき間に入り込んだ水分が凍結し、体積が膨張します。
これを凍害(とうがい)と呼びます。
瓦やスレートの小さなひび割れに水が入り、それが凍ることで、内部から押し広げるように割れが進行していきます。
朝は凍っていた屋根が日中に溶けてまた夜に凍る……という繰り返しのなかで、劣化が目に見えないかたちで進行してしまうのです。
雪解け水による「雨漏り」
積雪後、日中の気温上昇で雪が解けると、水分が屋根の谷やすき間に流れ込みます。
通常であれば問題ない場所でも、屋根材の浮きやコーキングの劣化があると、内部へじわじわと浸入してしまい、雨漏りの原因になります。
特に雪解け水は、通常の雨よりも長時間かけてゆっくりと流れるため、浸透リスクが高いのです。
瓦や板金の「ズレ・落下」
霜や氷の影響で屋根材の接着が弱まると、瓦や板金のズレ、外れ、落下などのトラブルも起きやすくなります。
強風が伴えば、ご近所への被害や、通行人・車両への落下事故にもつながりかねません。
冬場は気づきにくく、屋根の不具合が春の雨シーズンになってから一気に表面化するケースも少なくありません。
どんな屋根が雪や霜の影響を受けやすい?
勾配が緩い屋根は雪が残りやすい
屋根の傾斜(=勾配)が緩い場合、雪や霜が屋根にとどまりやすく、融けるまで時間がかかる傾向があります。
とくに陸屋根(ろくやね)や片流れ屋根などは、水はけが悪くなるため凍害リスクが高くなるのです。
緩勾配の屋根では、
- 雪が融けてもしばらく水が滞留しやすい
- 凍結と融解を繰り返すことで屋根材が劣化しやすい
- 排水経路の不具合が雨漏りにつながる
といった問題が生じやすいため、特に冬場はこまめな点検が重要になります。
和瓦屋根はズレ・凍害に注意
京都の住宅に多く見られる「和瓦(なごみがわら)」は、美しい外観と耐久性が特徴ですが、凍害による割れや、積雪によるズレに弱いという側面もあります。
瓦と瓦のすき間にはどうしてもわずかな隙間があり、そこに水が入り込んで凍ると、釘止めの弱い部分からずれたり、滑り落ちたりすることがあるのです。
特に以下のような状況は要注意です。
- 屋根の端にある軒先瓦が浮いている
- 谷板金周辺の瓦がズレている
- 強風や積雪後に破損音があった
瓦屋根はメンテナンスのタイミングを逃すと被害が拡大しやすいため、冬の終わりや春先に点検しておくことが望ましいといえるでしょう。
金属屋根も霜や水はけに注意が必要
近年多く見られる「ガルバリウム鋼板」などの金属屋根は、耐候性が高く軽量で、地震にも強いという利点があります。
しかし金属屋根も、霜や雪解け水が排水不良を起こすと、ジョイント部分から水が浸入するリスクがあります。
また、表面が滑りやすいため、雪が一気に滑り落ちる「雪庇(せっぴ)落下」に注意しなければなりません。
このため、
- 雪止め金具の設置
- 雨仕舞い(あまじまい)の見直し
- 定期的なコーキング補修
といった冬に備えた施工対策が必要なのです。
冬場に発生しやすい屋根トラブルと補修方法
瓦のズレ・割れは早めの差し替えや固定補強を
瓦屋根で多いのが、凍結による割れや積雪によるズレです。
瓦が1枚でもズレると、そこから雨水が侵入しやすくなり、屋根下地の腐食や雨漏りにつながる恐れがあります。
このような場合の補修では、
- 割れた瓦の差し替え
- ズレた瓦の位置調整と釘の打ち直し
- 必要に応じて棟瓦や漆喰(しっくい)の補修
が行われます。
放置すると下地材や野地板にまで被害が及ぶため、早期対応が肝心なのです。
板金部分の浮きや錆びにはコーキングや交換対応を
屋根には「谷板金」や「棟板金」と呼ばれる雨水を流す金属部分があり、ここが浮いたり錆びたりすると、雨漏りの原因になります。
特に冬場は、
- 板金の継ぎ目に霜が溜まりやすい
- 温度差による金属の収縮で釘が緩む
といったことが起こりやすく、わずかな隙間から水が浸入するケースも多く見られます。
このような場合、
- 緩んだ板金の釘の打ち直し
- 劣化したコーキングの再施工
- 腐食がひどい場合は板金ごとの交換
といった修理を行います。
定期点検をしておけば、大掛かりな工事になる前に手を打つことができるのです。
雪止め金具の設置や交換も検討を
金属屋根に多い「雪の一気な滑落(雪庇落下)」を防ぐためには、雪止め金具の設置が効果的です。
特に人通りの多い玄関上や車庫の屋根では、落雪によるケガや車の損傷を防ぐために、金具の追加や補強が検討されるべきでしょう。
また、すでに金具がついていても、
- 取付けが古い
- 金具が曲がっている
- 錆びて強度が落ちている
という場合は、交換を行うことで事故リスクを軽減できます。
雨樋のゆがみや詰まりもチェックポイント
雪が積もった雨樋(あまどい)に重みがかかると、樋がたわんだり、外れたりすることがあります。
また、霜や落ち葉の蓄積によって水がうまく流れず、屋根に水が逆流してしまうケースも見られます。
このようなトラブルは、
- 雨樋の清掃
- たわみ部分の補修や交換
- 勾配調整による水はけ改善
によって対処できます。
「雨漏りではないから放置している」という方も多いですが、屋根からの水はけが悪くなることで、結果的に雨漏りや外壁の劣化を招くため、軽視してはいけません。
被害が出る前に。冬前の屋根点検とメンテナンスのすすめ
点検のベストタイミングは「秋」
屋根のトラブルは、実際に雨漏りが起きてから気づくケースが多いのですが、本来は「何も起きていないうち」に点検しておくのが理想です。
とくに京都のように冬場に冷え込みが強くなる地域では、10月〜11月の「秋のうち」に屋根点検を行っておくのがベスト。
秋は、
- 台風シーズン後で屋根に負荷がかかっている
- 落ち葉が雨樋や谷に詰まりやすい
- 冬の凍結や降雪前に補修が間に合う
といった理由から、点検と軽微な補修を済ませておくのに最適なタイミングなのです。
点検・メンテナンス内容の一例
屋根点検でチェックされる主な項目は、以下のようなものです。
- 瓦や金属屋根のズレや破損
- 棟板金・谷板金の浮き・サビ
- 雨樋のたわみや詰まり
- 雪止め金具の強度や設置状態
点検後には、写真付きのレポートを作成してもらえる業者も多く、目視できない部分も客観的に把握できます。
「うちは今のところ雨漏りしていないから大丈夫」と思っていても、見えない部分で確実に劣化は進行しているものです。
まとめ
冬の京都では、雪や霜による屋根トラブルが意外と多く発生しています。
瓦のズレや板金の浮き、雨樋の変形などは、初期段階であれば小さな補修で済むものも多く、気づかず放置してしまうことで雨漏りや構造部の腐食へとつながってしまうのです。
被害を防ぐためには、
- 秋のうちの定期点検
- 信頼できる業者によるメンテナンス
- 状況に応じた補修と雪対策
を意識することが大切でしょう。
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京都の気候や住宅事情に精通した職人が対応しますので、「うちの屋根も大丈夫かな」と気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

