DIYで雨漏り補修は危険?京都の屋根職人が教える失敗例と注意点
2025/08/19

最近ではホームセンターやネット通販で補修グッズが簡単に手に入るため、「雨漏りぐらいなら自分で直せる」と考える方が増えています。しかし実際の現場では、DIY補修がかえって被害を悪化させてしまったケースを数多く目にしてきました。
雨漏りは単なる「ヒビ」や「隙間」が原因ではなく、屋根構造全体に関わる問題です。
この記事では、京都で屋根修理を行っている山口板金が、DIY補修のリスクや失敗事例、そして注意点をわかりやすく解説します。
なぜ雨漏り補修をDIYで行うのが危険なのか

1. 雨漏りの原因は複数箇所が絡み合っている
雨漏りは「ここが割れているから水が入る」と単純に判断できるものではありません。
実際には、
・屋根材のズレ
・防水シート(ルーフィング)の劣化
・棟板金の釘浮き
・雨どいの逆流
・外壁との取り合い部分の不具合
といった複数の要因が重なって発生するケースが多いのです。
表面上見える隙間だけを補修しても、根本原因が残っていればすぐに再発し、かえって被害が広がることもあります。
2. 高所作業の転落事故リスク
屋根に登っての作業は、想像以上に危険です。
慣れていない方が無理に登ると、転落による重傷事故につながる恐れがあります。
特に京都の古民家や町家の屋根は急勾配のものが多く、素人が安全に作業できる環境ではありません。
3. 保険・保証対象外になることも
自己判断で補修を行った場合、火災保険の適用や業者保証の対象外になることもあります。
「DIYで手を加えたことが原因」と判断されると、保険金が下りなくなるリスクもあるため、安易なDIY補修は避けるべきです。
DIYで失敗しがちな雨漏り補修の具体例

「雨漏りぐらいなら、自分で何とかできそう」と軽い気持ちでDIY補修に挑戦したものの、実際には知らないうちに被害を悪化させてしまうケースが非常に多いのが実情です。
ここでは、屋根職人として現場でよく目にする「DIY雨漏り補修の失敗例」を詳しく解説します。
「これくらいなら大丈夫」と思った判断が、後々大きな修理費用に繋がることもあるので、ぜひ参考にしてください。
コーキングを塗りすぎて雨水の逃げ道を塞ぐ
「隙間にコーキングさえ詰めれば雨漏りは止まる」と考える方が非常に多いですが、実はこれは雨仕舞い(あまじまい)の基本を無視した行為です。
屋根や外壁は、雨水を完全に遮断するのではなく、「正しい経路で屋外へ排水する」ように設計されています。
しかし、DIYでむやみにコーキングを詰め込むと、
・雨水が逃げるルートを塞いでしまう
・本来外へ流れるはずの水が、屋根内部や壁内に回り込む
・数ヶ月後、屋根裏や壁内がカビだらけになっている
という深刻な状態に繋がることが少なくありません。
実際、京都市内でも「DIYでコーキング補修をした数か月後、天井裏がカビだらけになってしまった」というご相談が多く寄せられています。
コーキングは場所と施工方法を誤ると“雨漏りの誘発装置”になりかねないのです。
防水テープで応急処置 → 雨のたびに剥がれる
防水テープは、ちょっとした応急処置には確かに便利です。しかし、「防水」と名前が付いていても、それは一時的な処置に過ぎません。
屋根の上は、
・強烈な紫外線
・風による振動
・雨風が直接当たる過酷な環境
にさらされ続けています。
ホームセンターなどで売られている防水テープの多くは、屋根材の動きや環境ストレスに耐えられず、数日〜数週間で剥がれてしまうことが多いです。
最も怖いのは、「テープで塞いだから大丈夫」と安心してしまい、その間に雨水が内部に侵入し続けてしまうこと。
この間に、屋根下地や野地板が腐食し、結果的に全面葺き替え工事が必要になり、高額な修理費用がかかるケースもあります。
雨どい掃除で解決したと思ったら別の箇所から浸水
「雨漏りは雨どいが詰まっているからだ」と考え、雨どい掃除だけで済ませてしまう方も多いですが、雨どいの詰まりが原因の雨漏りは実は非常に稀です。
雨どいの詰まりによって雨水が溢れることはありますが、根本原因が屋根材のズレ・棟板金の浮き・防水層の劣化などにある場合、雨どい掃除をしても症状は改善しません。
「雨どいを掃除しても、次の雨でまた漏れてくる」
この場合は屋根全体の防水ルートが崩れている可能性が高いのです。
誤った判断で対処を間違えると、時間が経つごとに被害は広がり、最終的には大規模な修繕が必要になることもあります。
屋根に登って瓦を動かし逆にズレ・破損
「瓦がずれているのが見えたから、少し動かして直そうとした」
この行為が、逆に瓦のズレや破損を誘発することが非常に多いです。
瓦屋根は、単に一枚一枚を置いているわけではなく、
・重ね順や勾配の調整
・瓦同士の隙間から雨水を逃がす“雨仕舞い”設計
・棟・袖・平部といった部位ごとの施工方法
といった非常に緻密なバランスで成り立っています。
素人が瓦を動かしてしまうと、
・瓦の噛み合わせがズレてしまう
・隙間が広がり、雨水が屋根内部に浸入
・強風で瓦が簡単に飛ばされる状態に
といったリスクが高まります。
特に京都の古民家や町家の屋根は、施工時期によって工法も違うため、プロでなければ正確な判断は困難です。
DIY補修は「応急処置」まで。それ以上はプロへ
雨漏りは「見えている部分」だけを補修しても直らないケースが非常に多く、DIYでの応急処置はあくまでも“その場しのぎ”に過ぎません。
誤った施工が、後々大きな工事・高額な修理費用へと繋がるケースを私たちは何度も見てきました。
・雨どい掃除
・室内での水受け
・軽微な応急防水(緊急時のみ)
これらはDIYでも対応可能ですが、屋根材や外壁の補修はプロに依頼するのが最善策です。
山口板金では、ドローン点検・赤外線カメラ診断を駆使し、目に見えない雨漏り原因も徹底的に特定します。
DIYで悪化させる前に、ぜひ一度プロの無料診断をご利用ください。
DIYが向いているケース/プロに任せるべきケース

雨漏りが発生した際、すぐに業者に依頼する前に「自分でできることはないか」と考える方も多いでしょう。しかし、雨漏り補修にはDIYで対応できる範囲と、絶対にプロに任せるべき範囲があります。
この線引きを誤ってしまうと、被害を拡大させたり、かえって高額な修理費用がかかってしまうこともあります。
DIYでできる範囲
雨どいの掃除・詰まり除去
雨どいに溜まった落ち葉やゴミが原因で雨水があふれている場合は、高所作業にならない範囲での掃除・詰まり除去で改善することがあります。
ただし、脚立を使って無理に高い位置で作業するのは非常に危険です。安全に作業できる範囲のみ行いましょう。
室内側の応急処置
天井や壁に雨漏りのシミができてしまった場合、バケツを置く・ブルーシートで覆うなどの応急対応はDIYでも可能です。
これはあくまで一時的に室内への被害拡大を防ぐ目的であり、根本的な解決には至りません。
DIYでできるのは「被害拡大を一時的に抑える応急処置」まで。
屋根・外壁・ベランダの構造に関わる部分は、必ずプロに点検してもらうことが重要です。
プロに任せるべき範囲
屋根材のズレ・割れ・浮き
屋根材の微妙なズレや割れは、見た目では分かりにくく、専門知識がなければ適切に修復するのは難しいです。無理に動かしてしまうと、さらにズレたり、雨水の通り道を塞いでしまうことにもなりかねません。
棟板金の釘浮きや剥がれ
屋根のてっぺんにある棟板金は、風圧や経年劣化で釘が緩んだり、板金が浮いてくることがあります。これを素人が応急処置しようとすると、台風時に飛散して大事故を招くリスクもあるため、必ずプロに依頼する必要があります。
ベランダ防水層の劣化・ひび割れ
ベランダやバルコニーの床面にある防水層は、専門の施工技術が必要です。簡易的な補修材をDIYで塗る程度では再発防止にならず、かえって劣化を早めるケースもあります。
屋根裏の湿気・結露トラブル
屋根裏での結露は、「断熱材の劣化」や「通気の設計ミス」などが原因の場合が多く、DIYで対応できるものではありません。構造全体を考慮した施工が必要です。
原因不明の雨漏り(多要因が絡むもの)
雨漏りの多くは、一ヶ所の隙間が原因ではなく、屋根材・板金・外壁・ベランダの複数箇所が絡み合って起こります。表面的な応急処置では絶対に直らず、構造的な知識と点検が不可欠です。
DIYで補修した結果、こんなトラブルに(実例紹介)
ケース1①コーキングDIYで屋根裏がカビだらけに
京都市内の戸建住宅で、天井からの雨漏りに対し、自己判断でコーキング補修を行ったケース。
実は根本原因は屋根材のズレと棟板金の釘抜けにあったため、隙間を埋めたことで雨水の逃げ道が塞がれ、屋根裏全体に水が回り込み、数ヶ月後にはカビだらけになってしまいました。
この結果、屋根裏の木部補修と断熱材交換で大掛かりな工事が必要となり、費用も30万円以上に膨れ上がってしまいました。
ケース②防水テープ補修→台風で屋根材ごと飛ばされる
屋根の小さなヒビ割れに対し、市販の防水テープで応急処置を行ったものの、台風時に風圧でテープが剥がれ、屋根材ごと飛散してしまったというケース。
飛散による二次被害(隣家のカーポート破損)まで発展し、結果的に保険適用外の修理費用が高額になってしまいました。
ケース③古民家でのDIY補修→瓦が崩落し近隣トラブルに
築80年以上の古民家で瓦が浮いているのを見つけ、自分で元に戻そうとした結果、屋根全体のバランスが崩れ、瓦が崩落して隣家のカーポートを破損。
近隣とのトラブルに発展し、賠償対応を含め多額の出費となった例もあります。
雨漏り補修はプロに依頼すべき理由

根本原因を見抜く専門知識
屋根・外壁・ベランダが複雑に絡み合う雨漏りは、単純な「隙間埋め」では解決しません。
プロは構造全体を把握し、「なぜ雨漏りが起きたのか」まで遡って補修を行うため、再発を防ぐことができます。
安全な高所作業ができる
足場や安全器具、ドローンなどを駆使して作業を行うため、素人作業でありがちな転落事故や屋根材の破損リスクを回避できます。
火災保険や保証対応が可能
自分で補修してしまうと火災保険の適用外になったり、施工保証が受けられなくなることもあります。
プロ施工であれば、必要に応じて火災保険申請や保証の範囲内での対応が可能です。
山口板金では、ドローン点検や赤外線カメラ診断で目に見えない部分まで精密に調査し、再発防止を見据えた提案を行っています。
「とりあえず応急処置をしたが心配」「DIY後に悪化したかもしれない」とお考えの方も、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
「雨漏りぐらいならDIYで…」と安易に考えてしまうと、思わぬトラブルや費用増加に繋がる可能性があります。
特に京都のような気候では、屋根材や構造全体を見据えたプロの目による点検・補修が必要不可欠です。
雨漏り修理は「早期発見・早期対応」が何より大切。
京都で屋根修理・雨漏り点検をお考えなら、ぜひ一度山口板金へご相談ください。
無料調査・お見積もりも随時承っております。