雨漏りの原因は屋根だけじゃない?外壁・ベランダの見逃しがちなリスク
2025/06/06

「雨漏り」と聞くと、真っ先に屋根の破損や瓦のズレを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
確かに屋根は雨漏りの主要原因の一つですが、実はそれだけではありません。外壁やベランダ、サッシ周りといった箇所が原因で起こる雨漏りも非常に多いのです。しかも、こうした部分は屋根と違って普段の生活で気にかけにくく、劣化や不具合が見過ごされがち。気づいたときには室内に被害が及び、修理費用が高額になるケースも少なくありません。
この記事では、屋根以外に潜む雨漏りリスクを徹底解説します。京都特有の気候の影響、見逃しがちなポイント、修理費用や業者選びのコツまでわかりやすくお伝えします。住まいを守るために、ぜひ最後までご覧ください。
雨漏りの主な原因は屋根だけではない
雨漏りの原因といえば「屋根のトラブル」と思いがちですが、実際には外壁、ベランダ、サッシ周りなど複数の要因が絡み合って発生することが多いのです。業界の統計によると、雨漏りの原因の約4割は屋根以外にあり、特に築年数が経過した家や古民家では、外壁やベランダの劣化が主な原因になるケースが少なくありません。
京都は梅雨時の長雨や台風、冬の積雪といった気候条件が揃う地域です。さらに古い街並みが残るため、経年劣化による影響が蓄積しやすく、知らないうちに建物全体にダメージが広がっていることもあります。「屋根はきれいだから大丈夫」と安心していると、実は外壁のひび割れから雨水が入り込んでいる……なんてことも珍しくないのです。
このため、雨漏り対策では屋根だけでなく家全体を総合的に調査・診断することが欠かせません。
見逃されやすい雨漏り原因① 外壁

外壁は、家の「顔」ともいえる大事な部分であり、見た目だけでなく家全体を風雨や紫外線から守る防御壁の役割を果たしています。
しかし、普段私たちが気にしない間に、外壁は少しずつダメージを受け、知らないうちに雨漏りの原因になってしまうことがあるんです。
特に古い家や、築10年以上経過した家では、目立たない小さな劣化が積み重なって大きな問題に発展することが多いため注意が必要です。
外壁のクラック(ひび割れ)
モルタル壁やサイディング壁には、経年によって細かいひび割れ(クラック)が入ることがあります。
これらは一見「小さいし大丈夫そう」と思ってしまいがちですが、実は放置すると要注意。
雨や風が繰り返し当たることで、ひびがどんどん広がり、ついには雨水の通り道ができてしまうのです。
特にモルタル壁のクラックは、外壁の内側にまで水が染み込むことがあり、木材部分や断熱材を濡らしてカビや腐食を引き起こすことがあります。
シーリングの劣化
サイディング外壁の継ぎ目や、窓・ドアの周囲には「シーリング材(コーキング)」と呼ばれるゴム状の素材が使われています。
この部分は家の中でも特に動きが大きい箇所なので、防水のために柔らかい素材が入っているのですが、紫外線にさらされ続けると、10年ほどで硬化・ひび割れが発生します。
この隙間から雨水が侵入すると、見えない壁の中で水が回り込み、木材や金属部分を腐食させることもあります。
塗膜防水の劣化・チョーキング
外壁は塗装によって防水性が保たれていますが、紫外線や風雨の影響を長年受け続けると、塗膜が劣化し、外壁材そのものが水を吸いやすい状態になります。
塗膜の劣化を見分ける簡単な方法が、「チョーキング現象」の確認です。
これは外壁を手で軽くこすったとき、白い粉のようなものが手に付く現象で、塗料の防水機能が切れているサインです。
こうなると外壁材が直接雨にさらされることになり、雨漏りのリスクが急激に高まります。
見分け方
「うちは外壁の外側なんて普段見ないし、劣化しているか分からない……」という方は、室内側に次のような変化がないかチェックしてみましょう。
・壁紙にシミができている
・クロスが浮いてきている、波打っている
・室内にカビ臭さがある、なんとなくジメジメしている
これらは、外壁のひび割れやシーリングの隙間から雨水が侵入し、壁の内側を濡らしているサインかもしれません。
放置していると、見えない部分でカビが増えたり、柱や梁といった家の構造材が腐ったりと、大きな修繕工事が必要になるリスクが高まります。
見逃されやすい雨漏り原因② ベランダ・バルコニー

実は、ベランダやバルコニーも雨漏りの大きな原因になりやすい場所です。
「え、屋根じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、ベランダやバルコニーは常に雨風にさらされ、紫外線の影響も受けるため、家の中で最も劣化が進みやすい部分のひとつなんです。
特に築年数が10年以上経った家では、気づかないうちに防水機能が落ちてしまっていて、雨水が下の階の天井へ染み込んでいるケースも少なくありません。
防水層の劣化
ベランダやバルコニーの床面には、見た目はただの塗装のように見えても、実はしっかりとした「防水層」が施されています。
一般的には、ウレタン防水、FRP防水、シート防水といった方法が使われていますが、これらは永久に効果が続くわけではありません。
耐用年数は10〜15年ほどで、それを過ぎると次第に表面がひび割れたり、剥がれたりして、雨水が侵入しやすい状態になります。
特に怖いのは、表面の劣化が目に見えなくても、内部の防水層がすでに弱っていることがあるという点です。
「見た目はきれいだから大丈夫」と思って放置していると、気づかない間に床下の構造材や下階の天井に雨水が回り込み、知らないうちに家の中で被害が進行してしまうこともあるのです。
排水口の詰まり
ベランダには排水口(ドレン)が設置されていて、雨水はここから流れ出る仕組みになっています。
でも、この排水口に落ち葉や砂ぼこりが溜まって詰まってしまうと、雨水の逃げ道がなくなり、ベランダの床に水たまりができる状態になります。
この水たまりが長期間続くと、防水層が劣化しやすくなったり、立ち上がり部分(壁と床の接合部分)や手すりの基部に小さなすき間ができ、そこからじわじわと雨水が入り込むようになります。
一度水が内部に浸入すると、見えない部分でカビや腐食が進行し、最終的には室内の天井にシミができたり、クロスが剥がれたりといった目に見える被害が出てきます。
兆候の見分け方
「うちのベランダは大丈夫?」と思ったときは、次のようなサインがないか確認してみましょう。
・下の階の天井や壁にシミができている
・ベランダの床に膨れ、ひび割れ、剥がれが見える
・ベランダの手すりや壁の周囲に変色や黒ずみがある
・ベランダの排水口の水はけが悪い、または詰まっている
こうした兆候が見られた場合は、すぐに専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
特に「下の階にシミが出てきた」という状態は、すでに内部で水が回っている可能性が高く、放置すればするほど被害範囲が広がり、修理費用も高額になりがちです。
雨漏りの原因を正確に突き止める調査の重要性

雨漏りと聞くと、なんとなく「屋根に穴が開いているのかな?」と思う方が多いかもしれません。
でも実際の現場では、そんな単純なことは少なく、雨漏りの原因が一か所だけということはほとんどありません。
屋根の不具合だけでなく、外壁のひび割れ、ベランダの防水層の傷み、窓のサッシ周りのすき間など、いくつもの要因が重なって雨水が家の中に入り込んでくることが多いのです。
たとえば、屋根から入り込んだ雨水が壁の中を伝って別の場所からしみ出してくる、というケースもあります。
だからこそ、「この壁にシミがあるから、この場所だけ直せば大丈夫」と考えて部分的に修理をしても、原因をきちんと調べていなければ、すぐに別のところから雨漏りが再発してしまう危険があります。
つまり雨漏り対策は、原因をきちんと見つけ出すことが一番大事なんです。
自分での応急処置は危険?
「雨漏りしてきたから、とりあえず防水テープでふさいでおこう」「スプレーをかけて止めておこう」こんな応急処置を試す方もいるかもしれません。
でも、これは実は要注意です。
見えている部分だけをふさいでも、雨水が別の経路を探して回り込んでしまったり、内部に水が溜まって木材や断熱材を腐らせてしまったりすることがあるんです。
また、原因が分からないまま業者に頼むと、必要以上に大がかりな修理を提案されてしまい、結果的に費用がかさむこともあります。
だからこそ、まずはしっかり原因を特定するための調査を行うことが大切なんです。
原因をきちんと調べると、こんなに安心!
原因を特定することで、次のようなメリットがあります。
・無駄な工事をせず、必要なところだけ直せるので、余計なお金がかからない
・直してもすぐに再発、という心配が少なくなる
・家の防水性能がしっかり確保され、長持ちする
・火災保険や自治体の助成金を申請する場合、修理の根拠が明確になる
特に京都のように古い建物が多い地域では、「何度直しても雨漏りが止まらない」という相談がたくさんあります。
でも、それは原因がきちんと突き止められていないまま工事を繰り返しているケースが多いのです。
山口板金なら、原因調査から修理までしっかり対応します
私たち山口板金は、調査から修理、工事後の点検まで、すべて自社の職人が責任を持って担当します。
現場調査の結果は写真や動画でわかりやすくお伝えし、「どこが原因で、どう直せばよいのか」をしっかりご説明します。
不安なこと、気になることは何でも聞いてください。
京都の気候や建物に詳しい職人が、あなたのお住まいの雨漏りを根本から解決します。
「どこに相談したらいいか分からない」と悩む前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。
まずは調査から、お住まいを守るお手伝いをさせていただきます。
屋根・外壁・ベランダ修理の費用相場と工期

雨漏り修理や外壁・ベランダの補修は、どれぐらいの費用がかかるのか、どのくらい工期がかかるのか、とても気になるところですよね。
ここでは、部分的な修理と全体的なリフォーム、それぞれの目安をご紹介します。
また、工事にかかる時間や費用を少しでも抑えるための、火災保険や助成金の活用法もお伝えします。
部分修理の費用目安
「雨漏りの原因は1か所だけ」と分かっている場合や、「ひび割れや劣化が部分的」という場合は、部分修理で済むことがあります。費用の目安は以下の通りです。
外壁のひび割れ補修・シーリング打ち替え
外壁にできた小さなヒビを埋める作業や、シーリング材(ゴムのような防水材)の打ち替えなら、5万~20万円程度が一般的です。ヒビの範囲や足場の有無によって価格は変わります。
ベランダ防水層の部分補修
ベランダの床にできたひび割れや、防水層の一部だけを補修する場合は、5万~15万円程度が目安です。
サッシ周りの防水補修
窓枠の周りから水が入ってくる場合は、その周囲のシーリングや防水処理を行います。小規模な工事なら数万円程度で済むことが多いです。
部分修理は費用が抑えられる分、きちんと原因を特定して「必要な部分だけ直す」という判断が重要になります。
全体修理・リフォームの費用目安
「家全体の防水性能が落ちている」「そろそろ全面的な修繕をしたい」という場合は、部分修理ではなく全体修理・リフォームがおすすめです。
外壁塗装・全面補修
外壁全体を塗り替え、防水性を回復させる場合は、80万~150万円程度が相場です。外壁の広さや塗料の種類によって価格は変わります。
ベランダ防水の全面再施工
ベランダの床全体を新しい防水層にやり替える場合は、20万~50万円程度です。劣化が進んでいる場合は早めの対応が安心です。
屋根・外壁一体の大規模改修
屋根の葺き替え、外壁の塗装、防水層のやり替えなど、家全体をまとめてリフォームする場合は、200万~400万円程度が目安です。まとめて工事を行うことで、部分的に分けて工事するより割安になることもあります。
工期の目安
部分修理の場合、1日~数日程度で終わることが多いです。
一方、全体的な改修工事の場合は、2週間~1か月程度かかります。屋根や外壁の塗装は天候に左右されるため、梅雨や台風シーズンには予定がずれ込む可能性があります。
工事の時期やスケジュールは、業者と余裕を持って相談しておくと安心です。
火災保険・助成金の活用
「自然災害で屋根が壊れた」「台風で外壁の一部がはがれた」といった場合、火災保険が適用される可能性があります。
特に京都のように台風や大雨が多い地域では、火災保険の範囲内で修理できるケースが意外と多いです。
保険適用には現場写真や修理見積もりが必要なので、工事を依頼する際は業者に「保険申請のサポートをしてくれるか」も確認しておきましょう。
また、自治体によっては外壁修繕や防水工事に対する助成金制度を設けていることがあります。
対象条件や助成内容は地域ごとに異なるため、事前に自治体のホームページや窓口で確認しておくと、思わぬ費用負担の軽減につながります。
まとめ
雨漏りの原因は屋根だけではなく、外壁やベランダ、サッシ周りなど、普段の生活では気づきにくい部分にも潜んでいます。これらの箇所は日常的な点検が難しく、問題が進行してしまうことも少なくありません。早期発見と適切な修理を行うことで、建物の寿命を延ばし、快適な住環境を長期的に維持することができます。そのためにも、定期的な点検と専門家による診断が重要なカギとなります。
京都の独特な気候条件や建築構造を熟知した山口板金では、長年の経験と専門知識を活かし、お客様の建物に最適な診断と修理プランをご提案いたします。
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