屋根の葺き替え工事とは?京都の屋根修理職人、山口が徹底解説!
2020/04/23
住まいの屋根は自然環境から建物全体を守る上で非常に重要な箇所となります。
いつまでも快適に暮らすためには、屋根もいつかはメンテナンスやリフォームを行なってあげる必要があります。
屋根は屋根材の種類によってメンテナンス方法や耐用年数が異なりますが、どの場合でも耐用年数を過ぎた際には「屋根葺き替え工事」を行う必要があります。
屋根工事の中で最もメンテナンス効果が高いと言われる「屋根葺き替え工事」、では実際にどんな工事なのでしょうか?
ここでは、屋根の葺き替えについてご説明します。
まずは屋根の構造を知っておこう
屋根の適正なメンテナンス時期、そしてそれに伴う工法は屋根に使用されている屋根材によって異なります。
また、表面の屋根材だけでなくその下に敷いてある防水シートや下地の状態によっても工事内容は変わってきます。
そのため、まずは屋根がどういう構造なのかを知っておきましょう。
一般的に屋根は、屋根表面から順に以下のような素材を重ねることで構成されています。
屋根材:瓦やスレート、金属屋根などの各種屋根材
↓
防水シート:ルーフィングとも呼ばれるアスファルトを原料とした防水シート
↓
下地:野地板とも呼ばれ、防水シートや屋根材を固定するための土台になる板。
屋根の全てを新品へ交換・修繕するのが屋根葺き替え工事
屋根は上記のような構造になっており、皆さんが普段目にしているのは瓦やスレートなど屋根材の部分です。
「屋根材だけ取り替えれば良いんじゃないの?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに屋根材の中で最も長い耐用年数を誇る瓦は約50年、適正にメンテナンスをしてやれば半永久的に長持ちすると言われています。
しかし、その下に敷いてある防水シートや下地はおよそ20年で耐用年数を迎えるので、メンテナンスをしてあげる必要があります。
瓦屋根の場合、以下の二種類の工法が考えられます。
葺き替え工事
既存の瓦を全て新しいものへ交換し、下地や防水シートも必要に応じて修繕・新しいものへの交換を行います。
屋根を構成する全てが新しいものへ生まれ変わるので、屋根メンテナンスにおいては最も効果が高いです。
また、耐震性の向上を目的として、瓦から軽量な屋根材へと変更する葺き替えも近年人気です。
葺き直し工事
既存の瓦は再利用し、下地や防水シートのみを交換する工法です。
あくまで瓦に問題が無い場合にしかできない工法ですが、既存の瓦を再利用するため廃材の処分撤去費用が発生しないため、葺き替えと比べて費用を抑えることができます。
このように、瓦は非常に耐用年数の長い屋根材ですので、瓦の状態を見極め、全て交換する「葺き替え」か瓦を再利用する「葺き直し」なのかを検討します。
また、スレート屋根の場合は少し事情が違います。
下地や防水シートの耐用年数は瓦の時と同じく20年程度ですが、スレート屋根自体の耐用年数も20年程度です。
そのため、「既存の屋根材は再利用し、下地や防水シートのみを交換する」という葺き直しを行うことはできません。
正確に言えばできないことはないのですが、下地や防水シートのみを交換してもまたすぐにスレート屋根自体も耐用年数を迎えてしまうため再度メンテナンスを行う必要があるので、葺き直しをする意味が無いと言えるでしょう。
スレート屋根の場合は以下の二種類の工法が考えられます。
葺き替え工事
既存のスレートを全て新しいものへ交換し、下地や防水シートも必要に応じて修繕・新しいものへの交換を行います。
また、耐震性の向上を目的として、スレートより軽量なガルバリウム鋼板へと変更する葺き替えも対応可能です。
カバー工法
既存のスレート屋根は撤去せず、その上からガルバリウム鋼板などでカバー(重ね張り)する工法です。
廃材も少なく葺き替えと比べて費用を抑えることができる上、屋根が二重構造になるので断熱性・遮音性の向上が期待されます。
ただし、屋根の重量が増すので耐震性については向上は見込めません。
屋根材の耐用年数を迎えるタイミングが、屋根を葺き替えるタイミングと言えるでしょう。
繰り返しになりますが屋根はお住まいを守る上で重要な箇所ですので、適切なタイミングで葺き替えを行い、屋根の状態を常に最適な状態に保つように心がけましょう。